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デジタル化・AI導入補助金 セキュリティ対策推進枠徹底ガイド – 通常枠との違いと選び方診断

デジタル化・AI導入補助金 セキュリティ対策推進枠徹底ガイド – 通常枠との違いと選び方診断
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デジタル化・AI導入補助金 セキュリティ対策推進枠徹底ガイド

通常枠との違いと、失敗しない選び方を診断形式で整理します。

【2026年2月9日更新】

※本記事は、2026年版の交付規程(通常枠/セキュリティ対策推進枠)等の記載に基づき、「どちらの枠を選ぶべきか」を判断できるように整理した解説です。公募回により運用・提出書類・締切が更新される可能性があるため、申請時は必ず最新の公募要領・事務局案内をご確認ください。

1. まず全体像:セキュリティ枠と通常枠は“目的が違う”

セキュリティ対策推進枠の目的

セキュリティ対策推進枠は、中小企業・小規模事業者等のサイバーセキュリティ対策を強化し、サイバーインシデントで事業継続が困難になる等の「生産性向上を阻害するリスク」を低減することを目的としています。さらに、供給制約や価格高騰といった潜在的リスクの低減にもつながる、という政策目的が明記されています。

要するに「攻撃を防ぐ」だけではなく、止まらない経営(BCP)をつくる枠です。被害発生時の復旧工数・停止時間・取引先対応などの“見えない損失”を抑えることが、結果として生産性の確保につながります。

通常枠の目的(概要)

通常枠は、業務プロセス全体の生産性向上に資するITツール(ソフトウェアやクラウド等)を導入し、DXを進めるための“基本枠”です。補助対象経費が幅広く、業務改善の設計自由度が高い一方、補助額が大きいレンジ(150〜450万円)では要件も増えます。

つまり、通常枠は「業務の流れそのものを変える」ことを支援する枠で、セキュリティ枠は「事業を止めないための運用型セキュリティを整える」ことを支援する枠、と捉えると判断が早くなります。

2. 3分で分かる:制度要件の違い(比較ポイントだけ)

ここでは、細かい条文よりも「実務で迷うポイント」に絞って違いを整理します。

(1) 補助額・補助率・対象経費

  • セキュリティ対策推進枠:補助額5万〜150万円、補助率1/2(小規模2/3)、補助対象経費はサービス利用料(最大2年分)
  • 通常枠:補助額は「5万〜150万未満」または「150万〜450万以下」、補助率は1/2(条件により2/3の扱いが規定)、対象経費はソフト購入費・クラウド利用費(最大2年分)・導入関連費

結論:

  • 「セキュリティだけを、手堅く・短く・確実に」ならセキュリティ枠
  • 「業務改善を広く(ソフト+クラウド+導入支援まで)やる」なら通常枠

(2) ITツールの縛り(自由度)

セキュリティ枠のITツールは“お助け隊サービス”限定:IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」掲載サービスに限られます。

通常枠は“プロセス要件”でツールを構成:150万円未満は1プロセス以上、150〜450万円は4プロセス以上
(プロセスの考え方は、顧客対応・販売支援、会計等の工程分類)

結論:

  • 「選べるツールは狭いが目的に直結」=セキュリティ枠
  • 「自由度が高いが設計力が必要」=通常枠

(3) 生産性要件(計画の難易度)

  • セキュリティ枠:労働生産性を年平均成長率1%以上向上。リスク低減による売上損失期待値の減少等も含み得ると記載。
  • 通常枠:労働生産性は年平均成長率3%以上(過年度採択者は4%以上)。1年後に3%以上(過年度採択者4%以上)の要件も併記。

結論:

  • 「計画を立てやすい」のはセキュリティ枠(ただし“セキュリティ投資がどう生産性に効くか”の説明が要)
  • 通常枠は生産性要件が相対的に高く、450万円レンジでは賃上げ等も絡みやすい(公募回の条件確認が重要)

3. 選び方診断:あなたはどっち?(10問で判断)

次の質問に「はい」が多い方が、基本的に“向いている枠”です。迷う場合は、最初の3問だけでも答えると方向性が見えます。

A:セキュリティ対策推進枠が向く(はいが多いほど)

  • まずはサイバー攻撃対策を最優先で整えたい
  • 社内に情シスがいない/兼務で、運用込みのサービスに任せたい
  • 投資規模は〜150万円程度で十分(必要最小限から始めたい)
  • 導入は「監視・初動支援・助言」など運用型セキュリティを中心にしたい
  • “ツールの自由度”より、枠の要件に合うことを優先したい(お助け隊限定でもOK)
  • 計画は、売上増より“事故で止まらない効果”で説明したい(損失期待値の減少)

→ 4つ以上「はい」なら、セキュリティ枠から検討する価値が高いです。

B:通常枠が向く(はいが多いほど)

  • セキュリティだけでなく、受注〜請求〜会計など業務全体を改善したい
  • CRM、会計、在庫、ワークフロー等、複数ツールを組み合わせてDXしたい
  • 150万円以上を狙い、4プロセス以上の設計で450万円まで検討したい
  • ソフト購入費だけでなく、導入関連費(設定・研修等)も含めて定着までやりたい
  • 労働生産性の目標(年平均3%以上等)を、売上・粗利・工数削減などで説明できる

→ 3つ以上「はい」なら、通常枠が本命になりやすいです。

4. よくある“選択ミス”と回避策

ミス1:セキュリティ枠で「何でも買える」と思い込む

セキュリティ枠は、補助対象がIPAの「お助け隊サービスリスト」掲載のサービスに限定されます。
一般的な機器購入や単体ソフト購入を想定していると、要件不一致になりがちです。

回避策:最初に「お助け隊」該当サービスから逆算して選定する(サービス名・提供範囲を明確化)。

ミス2:通常枠で“プロセス要件”を後付けにする

通常枠(150〜450万円)では4プロセス以上が要件です。
あとから“プロセス数を満たすためにツールを足す”と、導入後に使われず効果報告が苦しくなることがあります。

回避策:業務フローに沿って自然に4プロセスを満たす設計にする(例:販売→請求→会計→分析の短縮)。

ミス3:生産性要件を甘く見る

  • セキュリティ枠:年平均+1%(損失期待値減少も含み得る)
  • 通常枠:年平均+3%(過年度採択者は+4%)

回避策:計画は「数字の根拠(工数・停止時間・売上影響)」を置いて、説明可能な形にする。

5. “同じ補助金”でも審査の見られ方が違う:審査者が重視する観点(追記)

実務上、セキュリティ対策推進枠と通常枠は、同じ補助金制度の中でも「評価されやすいポイント」が少し異なります。セキュリティ枠は、導入目的が“サイバーインシデントによる事業停止リスクの低減”という形で明確になりやすい反面、申請者側の説明が抽象的(「不安だから」「念のため」など)になると、計画の合理性が弱く見えがちです。そこで、停止した場合の影響(対応工数、復旧日数、受注・売上影響、取引先への影響)を、簡単でもよいので数値で置くと、年平均+1%の生産性向上ストーリーが組み立てやすくなります。

一方、通常枠はツールの自由度が高い分、「導入して何が変わるか」が散らばりやすく、審査側からは“改善の焦点がぼやけている”と映ることがあります。通常枠で通りやすい設計は、業務フローに沿って改善点を一本化(例:販売→請求→会計→分析の短縮)し、導入後に測れるKPI(工数・リードタイム・ミス率)をセットで示すことです。

結論として、どちらの枠でも「目的→施策→測定」の三点セットが揃うほど、申請は強くなります。

6. 具体例でイメージ:あなたの会社はどっち?(3ケース)

ケースA:小規模の士業・小売・サービス(PC台数少、情シス不在)

悩み:標的型メール、パスワード管理、端末の脆弱性、万一の停止が怖い

解:セキュリティ枠でお助け隊サービスを導入し、監視・助言・初動対処の体制を先に作る(最大2年分の利用料が対象)

生産性の説明:インシデント対応工数・停止リスクを下げ、通常業務に集中できる(損失期待値の減少)

ケースB:受注〜請求〜会計がバラバラの中小企業(Excel・紙が多い)

悩み:二重入力、請求ミス、締め作業が重い、属人化

解:通常枠で、会計・請求・販売管理などをつなげ、導入関連費も含めて定着(対象経費が広い)

150万円以上を狙うなら、4プロセス以上で設計

ケースC:すでに業務システム導入中だが、セキュリティだけ遅れている

悩み:SaaSは増えたが、運用監視や初動対応が弱い

解:通常枠で追加導入を重ねる前に、セキュリティ枠で“運用型セキュリティ”を補強(お助け隊)
その後、必要なら通常枠で業務側を拡張、という順番が合理的です。

7. 最短で失敗しない進め方(実務フロー)

セキュリティ枠の進め方(おすすめ順)

  1. IPAリスト掲載の「お助け隊サービス」から候補を絞る
  2. 自社の“止まるリスク”を棚卸し(停止時間、対応工数、売上影響)
  3. 3年計画(年平均+1%)の説明を作る(損失期待値の減少も根拠にできる)
  4. 契約・利用開始のタイミングを「申請前着手」にならないよう調整
  5. 導入後は月次でレポート・ログを保存し、効果報告に備える

通常枠の進め方(おすすめ順)

  1. 業務フローを描く(販売→請求→会計…)
  2. 補助額レンジを決める(150万未満=1プロセス以上/150〜450万=4プロセス以上)
  3. 対象経費(ソフト、クラウド最大2年、導入関連費)で定着まで設計
  4. 3年計画(年平均+3%等)を数値で置く
  5. 申請・実施・効果報告まで一貫したストーリーにする

8. まとめ:迷ったら「目的→自由度→計画難易度」で決める

セキュリティ対策推進枠は、目的が明確で、補助額5万〜150万円、補助対象は“お助け隊サービス”利用料(最大2年分)に限定される一方、年平均+1%の計画で説明を組み立てやすい。

通常枠は、対象経費が広く(ソフト・クラウド・導入関連費)、150〜450万円では4プロセス設計が必要で、労働生産性の要件(年平均+3%等)も相対的に高い。

結局のところ、選び方はシンプルです。

「まず止まらない経営」=セキュリティ枠/「業務全体のDX」=通常枠。

この順で検討すれば、制度要件に振り回されず、導入後に“使われない補助金”になりにくくなります。

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