【要注意】持続化補助金で不採択になりやすいNG例10選|対象外経費・書類不備を行政書士が解説

持続化補助金で不採択になりやすいNG例10選(対象外経費・書類不備)
計画が良くても落ちる「実務の地雷」を整理。申請前の最終点検にそのまま使える形でまとめます。
【2026年3月12日更新】
持続化補助金は、申請さえすれば通る制度ではなく、審査によって採否が決まります。実務でよく見かけるのは、計画そのものが悪いというよりも、対象外経費の混入や、書類・期限・手続のミスで「土俵に乗り切れていない」ケースです。
とくに第19回(一般型・通常枠)は、様式4の受付締切が申請締切より先に来ることが明確に案内されており、スケジュール管理が採否以前の必須条件になります。
この記事では、行政書士の支援現場で実際に起こりがちな不採択・差戻し・減額につながるNGを10個に絞り、なぜNGなのか、どう回避すべきかを具体例つきで整理します。申請前の最終点検として、そのまま使える形にしています。
1. まず理解しておきたい「落ち方」の全体像
1-1. 不採択になりやすいのは大きく2種類
不採択やトラブルの原因は、概ね次の2つに分かれます。
- A. 形式落ち(手続・期限・書類・要件・証憑の不備)
- B. 内容落ち(計画の筋が弱い、差別化や根拠が薄い、実行可能性が見えない)
この記事はAの形式落ちを中心に、内容面でも足を引っ張りやすいポイントを合わせて扱います。採択率が上下しても、形式落ちの地雷はほぼ毎回共通です。
1-2. 採択通知と交付決定は別。ここを誤解すると詰む
持続化補助金は、原則として交付決定日以降に発注・契約・購入したものだけが補助対象になります。交付決定前に動くと、経費が対象外になり、最悪の場合、事業全体の成立が怪しくなります。 このルールは「知らなかった」では済まないため、最初に頭へ入れておいてください。
1-3. 支援を受けるのはOK。ただし申請の主体は事業者本人
専門家の支援そのものは問題ありませんが、申請内容が事業者自身の検討として読めない、第三者支援の記載が不透明、といった状態は危険です。さらに、GビズIDの取り扱い(ID・パスワード共有など)も運用として避けるべきです。 支援は「作業の肩代わり」ではなく、「事業者の意思決定と検討を言語化する補助」と捉えるのが安全です。
▶ 関連記事:持続化補助金の対象者チェック(個人事業主・法人)
2. 不採択になりやすいNG例10選
2-1. NG例1 交付決定前に発注・契約・購入・支払いをしてしまう
ありがち度:非常に高い
よくある場面
- 採択されそうだから先に機械を注文した
- 広告枠が埋まりそうなので先に支払った
- 制作会社に着手金を払った
なぜNGか
交付決定前の支出は補助対象外になり得ます。精算の段階でバッサリ落ち、計画していた補助金が入らないことで資金繰りが崩れるケースもあります。
回避策
- 発注書、契約書、請求書、支払日、納品日のいずれも交付決定日以降に揃える
- 着手金や前払が必要な場合は、交付決定後に分割支払いにするなど条件を調整する
- どうしても例外が絡みそうな支出(展示会の申込など)は、必ず公募要領・事務局案内の条件を確認し、例外に依存しない計画に寄せる
2-2. NG例2 パソコン、プリンター、タブレット等の汎用機器を入れてしまう
ありがち度:高い
よくある誤解
仕事で使う=補助対象、ではありません。汎用性が高く、目的外使用が可能なものは対象外になりやすい類型です。
回避策
- 設備投資は、販路開拓等の取組に必要で、用途が特定できるものに寄せる
- 汎用機器を買い替えたい場合は、補助金ではなく別予算で確保する
- どうしても必要なら、対象になり得る別の手段(レンタルや既存設備の活用等)を検討し、補助事業の主役にしない
2-3. NG例3 対象外経費(消耗品・通信費・光熱費・仕入等)を混ぜてしまう
ありがち度:高い
よくある混入
- チラシと一緒に事務用品も見積に入っている
- ネット回線費、サブスク利用料を全部計上した
- 商品販売のための仕入を入れてしまった
なぜNGか
対象外経費が混ざると、減額や差戻しの原因になります。見積や請求書の内訳が一式だと切り分けができず、必要経費まで落とされることもあります。
回避策
- 見積書の段階で内訳を分解し、対象外が混ざらないよう別計上にする
- 消耗品や通信費は原則として外し、補助事業の成果物に直結する支出だけを計上する
2-4. NG例4 ウェブサイト関連費に寄せすぎる(単独申請、上限超え、設計ミス)
ありがち度:非常に高い
重要ルール
ウェブサイト関連費には、単独申請不可、補助金申請額の4分の1(上限50万円)など独自の制限があります。
よくある失敗
- 計画の大半がウェブ制作で、他の施策が薄い
- ウェブ関連費が全体の1/4を超えている
- ウェブで申請したいのに、他科目の見積を形だけ入れている
回避策
- ウェブは「導線の改善」の位置づけにし、広報、設備、展示会などと組み合わせて販路開拓の全体像を作る
- ウェブ制作は、制作一式ではなく、ページ、機能、広告、撮影など作業と成果物を分解し、上限内に収める
- ウェブだけが目的の申請に見えないよう、ターゲットと販売戦略を先に固める
2-5. NG例5 会社案内・名刺・理念パンフなど「会社PR」中心の広報物になっている
ありがち度:高い
落ちるポイント
販路開拓のための広報であることが伝わらないと、計画の説得力が落ちます。名刺刷新、会社案内更新、採用目的の広告などは、補助事業としての必然性を説明しにくい類型です。
回避策
- 広報物は必ず、商品・サービス名、ターゲット、訴求、問い合わせ導線(QR、URL、電話、予約フォーム等)までセットで作る
- 配布方法(いつ、どこで、何部、誰に)を計画に書く
- 会社紹介は最小限にし、顧客にとっての便益と選ばれる理由を主役にする
2-6. NG例6 見積書が弱い(内訳がない、仕様が曖昧、比較できない)
ありがち度:高い
よくある見積の弱さ
- ウェブ制作一式、動画制作一式、広告一式など、範囲が不明
- 仕様が不明で、価格の妥当性が判断できない
- どこまでが補助対象か切り分けできない
回避策
- 見積は、作業内容と成果物が分かる形に分解する
- 数量、単価、仕様、納品形式、公開先まで明記してもらう
- 対象外が混ざる余地を潰し、精算段階の説明負担を下げる
2-7. NG例7 実績(証拠)が残らない設計になっている
ありがち度:高い
「やったのに通らない」原因の代表例です。補助事業は、最後に実績報告で立証できなければ、補助対象として認められません。
典型例
- ウェブサイトを作ったが公開が補助事業期間内に間に合わない
- 広告を出したが掲載証明が取れない
- チラシを作ったが配布の証拠がない
- 看板を設置したが施工前後の写真がない
回避策
- 公開日が分かる画面キャプチャ、URL、掲載証明、配布記録、施工写真など「提出できる証拠」を先に決める
- 制作物は納品物データ一式を受け取り、どこで使ったかを残す
- 補助事業期間内に完了する工程表にする(間に合わない計画は最初から組まない)
2-8. NG例8 支援の記載漏れ・不透明な支払い(様式の虚偽扱いリスク)
ありがち度:中
支援を受けているのに、様式での記載が曖昧だったり、金額が不明確だったりすると、後から大きなリスクになります。事務局が注意喚起している点でもあるため、透明性を最優先にしてください。
回避策
- 支援を受けた事実と内容、金額は正確に記載する
- 成果物や作業範囲が曖昧な支援料にならないよう、契約内容を明確にする
- GビズIDの共有はしない運用に徹する(申請者本人がログインして申請する)
2-9. NG例9 計画がテンプレの貼り付けに見える(自社の検討が薄い)
ありがち度:中
落ちるポイント
審査は「その事業者が本当に実行できる計画か」を見ます。一般論を並べただけの計画は、差別化ができず、実行可能性も評価されにくいです。
回避策
- 現状分析は自社の数字で書く(売上、客数、成約率、客単価など)
- ターゲットを具体化する(地域、属性、困りごと、選ばれる理由)
- 施策と経費と効果を一直線に結ぶ(なぜその支出が必要かが説明できる形)
2-10. NG例10 様式4の期限を落とす、商工会等の段取りを誤る
ありがち度:非常に高い
第19回のスケジュールでは、申請受付締切が2026年4月30日(木)17:00、様式4(事業支援計画書)発行の受付締切が2026年4月16日(木)と案内されています。 ここは申請者が一番つまずきやすいポイントです。申請の入力が進んでいても、様式4が間に合わなければ申請が成立しません。
回避策
- 申請締切ではなく、様式4締切を本当の締切として逆算する
- 商工会・商工会議所の確認に時間がかかる前提で、早めに相談・依頼する
- 差戻しが起きる前提で、最低でも1〜2週間のバッファを取る
3. 申請前の最終チェック(10分でできる)
次の項目に一つでも不安があれば、その部分から潰すだけで不採択リスクは大きく下がります。
- 交付決定前に発注・支払いが発生しない工程になっている
- 対象外経費が見積や請求内訳に混ざっていない
- ウェブ関連費が上限ルール内で、単独申請になっていない
- 見積書の内訳が明確で、仕様と成果物が説明できる
- 成果物の証拠(公開URL、掲載証明、配布記録、写真等)を残す設計になっている
- 様式4の締切から逆算して、依頼済み・段取り済みになっている
- 計画が自社の数字と事情に基づいていて、テンプレに見えない
- 支援を受けている場合、様式への記載が透明で、金額も整合している
4. まとめ
持続化補助金の不採択やトラブルは、計画の文章力よりも、対象外経費の混入、証拠が残らない設計、期限・手続の取りこぼしといった「実務の地雷」で起こることが少なくありません。特に交付決定前に発注・支払いをしてしまう、ウェブ関連費の独自ルールを外してしまう、様式4の締切を落とす、といったミスは、計画が良くても一気に不利になります。 逆に言えば、落ちやすいNGパターンを先に知り、見積の内訳を整え、成果物の証拠を残す運用にし、様式4の期限から逆算して動くだけで、形式面の失点は大きく減らせます。制度要件を守ったうえで、初めて計画の中身(誰に何をどう売るか、なぜ伸びるか、どんな効果が出るか)が評価されます。申請前は、まず形式の地雷を全部潰す。これが採択への最短ルートです。
なないろバックオフィスでは、小規模事業者持続化補助金の事業計画書(様式2)の作成から、経費明細(様式3)の整理、採択後の実績報告まで、行政書士2名体制でサポートしています。 飲食・小売・サービス業・建設業など幅広い業種の支援実績があり、Webサイト制作から機械装置導入まで多様な補助事業に対応しています。 お困りの際は、お問い合わせフォーム・LINE・メールよりお気軽にご相談ください。
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コンサルティングファームで約8年の勤務経験。
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